陸太郎の日記!

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シンソウノイズ感想&考察

作品概要
タイトル シンソウノイズ~受信探偵の事件簿~
ブランド Azurite
ジャンル   ミステリー・サスペンスADV
発売時期 2016年12月
キャッチコピー 「私が、殺したーー」
シナリオ構造 脱落方式

個人的評価
シナリオ 25/30
キャラ 16/20
心情描写 18/20
イラスト 9/10
舞台設定 8/10
システム 7/10
総合 83点

プレイ時間 19時間 
謎解きパートで割と時間食ってこの時間

イラスト
全体的に高いレベルでまとまっていた
一番良かったのは漫画版のサムネにもなっている水の中の雪本さんのイラスト

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システム
・推理パートがあるが、最後を除いて基本やり直しができるためポンコツな頭の自分としてはありがたかった。
起動毎にDMMPLAYERを開かされるため、ショートカットワンクリックですぐにゲームができない
・途中の謎解きの何問かが解くために紙とシャーペン必須の問題になってたのが個人的にいただけない。紙を用意する段階で没入感が途切れてしまうのでPC上だけで解ける問題だけにしてほしかった。

f:id:kamenn1212:20201227021813j:image 一番だるかったやつ
 解き方はすぐわかるけど、想像力ない自分はわざわざ図形書かなきゃいけんかったから結構時間かかったわ

プレイ感想
 まずプレイして最初に思った感想は、「バタフライシーカ―(シルキーズプラス作)」に似てね?だった(正確にはシンソウノイズが1年ほど前に発売されているが、プレイ順はバタフライシーカーが先だったため)。システム周りを同じシルキーズプラスが担当して、ちょっとだけ便利な異能力、推理パートの存在、同じライターなどなど。両作品をプレイした自分としては、キャラ、心情描写は「シンソウノイズ」、逆にバッドエンドの締め方、物語のサスペンス性は「バタフライシーカ―」のほうが面白かった。
 この作品の肝でもある主人公が人の心を読めるという能力が心理描写にうまく活かされていて、普通は読み手しかわからない他キャラの心情を主人公が声という形で認識してるため、より読み手と主人公の情報格差が減り、感情移入しやすいと感じた。
 あと地味~に評価してるのは男キャラ(北上と高永)について。主人公やヒロインを喰うレベルではないけど存在感はあってちょうどいい塩梅。

章ごとの感想(ここからネタバレ有り、気にする人は総評までスクロール)
1章
 今作品最大の謎である雪本さんの死、そこに関する主人公の倒錯した感情や推理する理由付けがうまく表現されてたと思う
雪本さんのためではなく、あくまで自分の中のこだわりのために犯人を追う理由が良い
2章
 1章は学園舞台にしてたのに対し、2章は山奥の洋館での殺人というある意味ミステリーでは定番のシチュエーション。まあ犯人候補は2人しかいないから謎自体はそこまで難しくなかったが、犯人の思考が読めるからこその緊迫感が出ててよかった。
3章
 雪本さんとほぼ同じ顔(モモ曰く全然違うらしいが)の清川さんが登場したとき、雪本事件のキーパーソンになるかな~と思ってたけどそんなことはなかった。主人公の周りはみんな性格いいやつすぎだから、一人くらい彼女みたいなねじ曲がった性格のキャラがいてもいいんじゃないか?たった1つの章で退場させるには惜しいキャラ。
4章
 ちょくちょく出てきた異能力を前面に出してきた章。異能力を活かしながらもしっかりミステリーに仕立ててきてて個人的には一番好きな章(黒月が好きだってこともある)。
5章
 話自体は演劇になぞらえて事件が進んでいき、読んでてわくわくさせられたが、いかんせんこの話のタイミングが悪すぎた。この前に雪本さん、洋館、美術室の3件殺人事件が起きて、悪意ある犯人による主人公サイドへの危害(橘とモモ)も起きてる状況で、器物破損と暴行未遂、それも主人公グループは被害にあってないってなるとどうしても話がしょぼく感じてしまう。
6章
 自分実はこんなにいい子はいないという理由でモモが犯人だと疑ってたんですけど見事に外しました(笑)
 雪本さん事件に関しても誰もヘイト買わない真相ならこうするわなってな感じで納得のいく結末です。
7章
 この章は他と毛並みが違ってがっつり青春もの&異能力してましたね。自分は別にこういうのも嫌いじゃないんで展開に文句はないんですけど、ミステリーとしてこの作品を買った人たちはなんじゃこりゃ???ってなるエンドだなと。
 ラスボスくんに関しては、なかなかモモの気持ちに向き合わない主人公にイラつくのはまあわかるけど、だからってモモごと殺そうとするのはどうなん?殺す対象主人公だけでよくね?

考察というか疑問点
・学校の七不思議とメイズの事件の時にちらっと触れられていた、能力を後天的に開発させるオルゴールの存在について。あれって他にも学校内に能力者がいる可能性があるっていう伏線のためだけにでてきた設定なんですかね?
総評
 後半のミステリー・サスペンスとは???な展開に目をつむればミステリー要素もよくできてたと思うし、予想以上に行動班の仲間による青春要素や主人公の雪本さんに対する歪んだ心情描写が優れていて物語に入り込めた。青春ミステリーとしてかなりの良作!!